2013年6月6日木曜日

言わずに

「横浜の事務所にいた頃の話だか、ある日、仕事を終えて帰って玄関に入った。
ところが、玄関に、新しい豪華な?スリッパが二足揃って出ている。
 私の心にすぐに浮かんだのは、古いが、まだ使える今までのスリッパを捨て、高価なものを買ってきた家内の気が知れない。
 贅沢にも、こんな高価なもの・・・・・・ムッとしながら部屋に入った。
 人に注意か警告をする時は、疲れた時、空腹の時、睡眠不足の時を避けなさいと、賢人の言葉を思い出して・・・・ジットガマンしながら、食卓についた。
その時、
『父様、今日三人の娘たち共同で、私達の誕生日のお祝いですと、あのスリッパ送ってくれましたよ。立派でしょう』と・・・・
 私は3月12日、家内は3月13日1日違いでいつも娘たち一緒に祝ってくれていた。
これを聞いて、ドキッとした。ハッとした。
玄関に入るなり、興奮しながら、
『どうしたの、この贅沢なすりっぱは、いままでのものだって、まだ一年や半年はつかえるでしょう。ムダなお金をつかわないよう注意しなさい』なんて言っていたら、傷つけた。心の傷はスリッパが擦り切れて捨てるまで治らないであろう。
 言わずにいてよかったと、わきの下から冷や汗をしながら思った。」~「それはいつですか」より~

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